ダーリン・イン・ザ・フランキス考察3
続き。
第2話「繋がるということ」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
蜂蜜にはごく微量ながら花粉が含まれている、濾過したものであれば殆ど不純物がなくなるのだが。それでも、一話でフランクス博士の台詞に「燃費の悪い娘だ」とある。よって単純に糖分を摂取しているのでしょう。が、5話のハチの台詞にはこうある。
「ゼロツーと乗った他のパラサイト達とは正反対の反応だ」
第5話「キミの棘、ボクのしるし」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
見て分かる通り、ヒロの場合は黄血球の数値が増加している。つまり、
第1話「独りとヒトリ」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
この男の場合は減少したという事だ。
単純に考えて、受粉とは花粉の受け渡しだ。そして4話のミツルの台詞の中に「吸い取ろうとした」とある。恐らくゼロツーはステイメンの黄血球を根こそぎ吸ってしまうが故に、接続するステイメンは老化するのではないだろうか。(メタ的な見方をすれば精根尽き果てると云ったところか)
そう考えれば、ヒロの身体はゼロツーに適応しようとしたがために過剰に黄血球を作ってしまったのではないだろうか。そしてゼロツーも負けじと吸った結果、
第5話「キミの棘、ボクのしるし」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
ご覧の有様である。恐らく002の中にある叫竜の青い血が、ヒロの赤い血と混ざり合った結果だろう。
或いは、もう一つの仮説としてビリルビンというものがある。これは老化した赤血球、つまりヘモグロビンが分解されてビリルビンになり、これが過剰になると肌に黄色い痣ができる。黄血球が、赤血球が分解された事で生まれた産物だとすれば、もしこれに叫竜の青い血が関与した場合、青い痣になるのでは?
因みに、ビリルビンはゴクラクチョウカ科の植物からも発見されている。畢竟、002はもとよりストレリチアにも、黄血球の増加や青い痣の発生原因があるのではないか。
話を戻す。
即ち、叫竜とは「工業製品説」以外にも「元はパラサイト説」、便宜上《魔法少女、魔女化説》と呼ぶ。
或いは「人工受精卵を核とした自律兵器説」。何かしらの理由で暴走して、マグマ燃料を採掘するというプログラムに従って行動しているのではないか。若しくは生存戦略の一環として、燃料を補給するためにプランテーションを襲うのか。
ここまでの事で考えれば、ゼロツーが単独でスタンピード・モードで行動できるのも叫竜の血を引き、なおかつ頻繁に黄血球の混ざった蜂蜜を摂取しているからかもしれない。ある意味ステイメン要らずとも言えるが、やはり男が操縦系を担っている以上は人型にはなれないのだろう。
それに加えて、
第2話「繋がるということ」より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
操縦には青い叫竜の力、赤い人間の力、ヘモシアニンとヘモグロビンが必要という事だ。
次に続く。
ダーリン・イン・ザ・フランキス考察2
続き。
第1話のフランクス博士の台詞「霧が出て来たな」も、叫竜が水神・海神としての竜ならば、水蒸気を出している可能性も無くはない。
・叫竜の外見から考察する「叫竜=工業製品説」
第4話「フラップ・フラップ」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
これはトンネル工事用の「シールドマシン」のようにも見える。
第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
こっちは地面を固める「締固め用機械」のように見える。
というのも、モホロビチッチ不連続面、コンラッド不連続面、グーテンベルク不連続面という地震に関する用語が名前になっているからだ。偶然ではあるまい。
この事から、叫竜は本来マグマ燃料を採掘するために開発された工業製品ではないか、というのが私の考えである。第6話にもハチの台詞で「自律的に移動している事から叫竜であると断定し、これを目標βと仮称する」とある。
生物に対してわざわざ「自律的に移動」なんて言葉を使うだろうか、と率直に思った次第である。それに生物にしてはやけに変形するなと、どんな進化を辿ったらああなるのだろうという素朴な疑問もある。
あと奇しくも、βとは配列的に二番目にくる。002というわけだ、二本の角も付いてるし。
と、ここまで考えて別の可能性も浮上してくる。
これである。
第1話「独りとヒトリ」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
青は叫竜の「青」として、「黄」はマグマ燃料を狙う事からそうであろうと分かる。が、もう一つの仮説もある。
第5話「キミの棘、ボクのしるし」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
「黄血球」という名前だが、無論あり得ない物体である。赤血球でもなければ、血が青く見えるヘモシアニンとも形状が異なる。が、フランクスの機体名を思い出してほしい。ストレリチアとは、ゴクラクチョウカ属という植物の種類である。そして、パラサイトは雄式(ステイメン)、雌式(ピスティル)である。おしべ、めしべだ。
そう、これである。
様々な花粉の電子顕微鏡像
ダリフラの不快感としてSEXを連想させるから、なる意見を目にする事がある。だがそう考えれば尚の事、受粉とは植物による生殖行為、それと重なって見えても的外れではなかろう。
次に続く。
ダーリン・イン・ザ・フランキス考察1
第6話まで視聴した上で、気になった点を考察していきます。
・「プランテーション」とは何か
率直に解釈すれば、単一の作物を大量生産する大規模農園を指す。地殻変動・環境破壊により緑が失われ、そうして「巨大移動要塞都市」を作るというのは皮肉なネーミングである。
セラススは桜の一種だが、日本的には散り際が美しい、桜花、散華というモチーフで使われたりする。実際、作中の扱いを見る限り第13プランテーションは前線ではなく、あまり重要視されていない感すらある。
第13とは、西洋では忌み数とされる。また日本では、4と9を足して忌み数とされる。
第1話「独りとヒトリ」 より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
その上で、コドモ達が住むのがミストルティンである。寄生木とも呼ばれる寄生植物だ、そんでもってフランクスに乗る搭乗者はパラサイトと呼ぶ。かなり示唆的だ。
第3話「戦う人形」より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
錦織:宿り木という意味ですが、“閉ざされた世界”と“鳥カゴ”というキーワードは自分の中にあって、それにおける宿り木という日本語的な言葉の響き。あとは寄生植物であるというところで、血であったり、寄生であったりのキーワードが今作にはあるので、関係性があるのかなと。
舞台がプランテーションであることもそうですね。フランクス「ストレリチア」といった名前からもやりたいことが見えてくるかもしれませんね。あと、コドモとオトナっていう存在を立てたのも、テーマに繋がっていけばいいなと思います
・何故「叫竜」なのか
何故わざわざ叫ぶ竜なのか。答えは既に提示されている。
これと、
これだ。
第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
悲鳴である。
では、竜とは何を指すのか。
まずは、これを見てほしい。
第1話「独りとヒトリ」より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
あと、これ。
第5話「キミの棘、ボクのしるし」より ©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
何故ゼロツーは海や雨に関心を寄せているのか、彼女は叫竜の血を引く少女だ。
竜とは仏教の世界では恵みの雨をもたらす水神ともされ、日本では竜神信仰、つまり海神とされたりする。
ながくなりそうなので、つぎにうつります。